【小児がん】子どものがんの種類や症状、治療法などを解説【うちの子の場合の体験談】

小児がんとは?
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「お子さんに、腫瘍があります」と、自分の子どもに「小児がん」が見つかったらどうすると思いますか?

すぐに冷静に医師の話を聞き、病名を受けいれることができますか?

ほとんど多くの方が、頭が真っ白になり、パニックになるのではないでしょうか。

実際に経験したことをいうと、目の前にいる医師の話を、私の中のもう一人の自分が聞いていて、どこか遠くから医師の声が聞こえてくる状態になりました。

淡々と話す医師の説明を、自分の子どもの話とは思えないのに、何かわからない不安と恐怖が襲ってくるような衝撃を受けました。

この記事では、3歳で発症した小児がんの闘病や、7歳で「発達障害」と診断を受けた子どもとの波乱万丈な経験から、

  • 小児がんとは?
  • 小児がんの種類は?
  • どんな症状がある?
  • 小児がんの治療法は?
  • うちの子の場合の体験談

などについてご紹介します。

小児がんとは?

「小児がん」とは、子どもがかかるがんの総称で、一般的には15歳未満に発症するがんのことをいいます。

小児がんとは乳幼児から思春期、若年成人まで幅広い年齢に発症するがんを指し、白血病、悪性リンパ腫、脳腫瘍、神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、網膜芽腫など多種多様ながん種からなります。小児がんは成人のがんと異なり生活習慣と関係なく、神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫など「芽腫」と呼ばれるがんの原因は、胎児の体の神経や腎臓、肝臓、網膜などになるはずだった細胞が、胎児の体ができあがった後も残っていて、異常な細胞に変化し増殖した結果と考えられています。

引用元:小児がん|九州大学病院のがん診療

小児がんの種類

白血病血液のがんで、白血球の細胞が無限に増加する病気。急性骨髄性白血病慢性骨髄性白血病急性リンパ性白血病慢性リンパ性白血病の4種類がある。
脳腫瘍頭蓋骨の中にできる腫瘍のこと。腫瘍の細胞の種類と、腫瘍が最初に発生した場所により分類される。
神経芽腫腎臓の頭側にある副腎という臓器や、背骨の脇にある交感神経幹などから発生する。腫瘍には、悪性度の高いものや、自然に小さくなっていくものなどのさまざまな種類に分類される。
網膜芽細胞腫胎児性神経網膜由来の悪性腫瘍のこと。①腫瘍が片眼のみに発症する片側性②両眼に発症する両眼性がある。
リンパ腫血液のがんの一種で、リンパ節などにあるリンパ球ががん細胞になってしまった病気。ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫に大きく分類される。
腎腫瘍腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で、小児の腎腫瘍の90%は腎芽腫である。ウィルムス腫瘍とも呼ぶことが多い。
肝腫瘍肝臓に発生する悪性腫瘍で、最も頻度の高いものが「肝芽腫」と呼ばれる病気。肝芽腫は、「肝細胞がん」とは異なる。
骨肉腫骨にできる 悪性腫瘍 のこと。①10歳代に発症しやすい原発性骨腫瘍②肺がんや乳がんの骨への転移による転移性骨腫瘍に分類される。
ユーイング肉腫子どもから若年成人の骨や軟部組織に発症する細胞肉腫のこと。10代に多く、さまざまな部位(大腿骨だいたいこつ脛骨けいこつ上腕骨じょうわんこつ腓骨ひこつなどの骨幹部や腸骨ちょうこつ肋骨あばらぼねなど)に発症する。
軟部肉腫皮下組織や筋肉などの軟部組織のころから発生する悪性腫瘍のこと。
横紋筋肉腫筋肉などの軟らかい組織(軟部組織)から発生する軟部肉腫の1つ。
胚細胞腫瘍胚細胞(卵子、精子)のもとになる細胞(原始生殖細胞)が腫瘍化したもので、性腺(卵巣、精巣)から発生することが多い。
小児科の医師
小児科の医師

子どものがんは、成人とは性質がかなり異なり、細胞の分化度(未分化、低分化、中分化、高分化)とあらわします。

がん細胞は、未分化なものほど悪性度が高く、高分化になるほど悪性度は低いといいます。

子どものがんは、増殖能力の高い低い分化レベルの細胞から発生する腫瘍が多いのが特徴で、成長のスピードがとても速いです。

小児がんの症状

発熱や治らない風邪症状37.5度以上の発熱や微熱が続いたり、3,4日すると解熱したりを繰り返す。風邪薬を処方され解熱するが、数日後にまた発熱する。
頭痛脳腫瘍の症状に、嘔吐おうとのある頭痛がある。
リンパ節の腫れ⾸の周り、⽿の後ろ、あごの下、⾜の付け根にあるリンパ節がれることがある。
骨や関節の痛み⽩⾎病や⾻⾁腫の場合、睡眠を妨げるほどの強い痛みがあったり、神経芽腫の転移の場合、肩から腕の⾻の痛みなどがある。
皮膚や筋⾁のしこり痛みがないしこりや腫れがある。太ももなどの筋⾁の厚い場所では、太もも全体が⼤きく腫れる場合もある。(⼿⾜、⿐やのど、⽣殖器などにもあらわれる場合もある)
お腹の腫れ特別な症状がなく、偶然お腹の腫れを指摘される場合が多い。(1~5歳に多い)
疲れやすさや体重減少がん悪液質」といわれる、がんが作り出すサイトカインという物質により、たんぱく質、炭水化物、脂肪などの代謝に異常が起こる。
鼻血や皮膚の紫斑など白血病は、貧血、出血傾向、発熱などの目立つ症状が出る事が多く、比較的発見されやすい。
小児科の医師
小児科の医師

⼩児がんは、急激に進⾏して症状が起こる場合があり、

  • 深刻な症状
  • ⻑く続く症状
  • 進⾏する症状

みられる場合には、必ず医療機関に相談しましょう

小児がんの治療とは

手術治療

  • 手術により、がんの周囲の組織やリンパ節などを切除すること。
  • 固形腫瘍(脳腫瘍、神経芽腫、ウイルムス腫瘍、肝芽腫、骨肉腫など)のがんの治療法の1つ。

化学療法

  • 抗がん剤を使用して、がんを治療すること。
  • 複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用化学療法を行うことが基本。
  • 小児がんは、化学療法が非常に良く効く。
  • がんの種類によって、それぞれ有効なプロトコールがある。

放射線療法

  • 放射線を患部に、体外や体内から照射する治療のこと。
  • 化学療法や手術治療と組み合わせて行うことが多い。

造血幹細胞移植

  • 抗がん剤治療や放射線治療だけでは治すのが難しい血液のがんに対し、完治を目指して行われる治療のこと。
  • 自分の造血幹細胞を保存し移植する「自家移植」
  • 他人からの移植「同種移植」
  • HLA(白血球型)の一致した兄弟姉妹からの「同胞間移植」
  • 骨髄バンク・臍帯血バンクに登録して「非血縁者間移植」
小児科の医師
小児科の医師

小児がんには、化学療法がよく効くといわれていて、手術治療や放射線治療などを組み合わせて治療していきます

それぞれの小児がんには有効なプロトコールがあることや、医学の進歩により小児がんの生存率は上がっていて、最近では、約7割のお子さんが治るといわれています。

このほか骨髄移植や臓器移植などそれぞれの症状に合わせたさまざまな治療が必要な場合もあります。

うちの子の場合

うちの子(かっくん)に、がんが見つかったのは3歳になった頃でした。

お腹が痛い」と言ったら、病院に行ったね。

そうだね。その日は、熱もなくて下痢もしていないから、いつもの小児科ではなくて胃腸科内科に行ったんだよね。そしたら「肝臓が腫れているかもしれない」といわれて隣町の少し大きな病院にすぐに行くよう言われたね。

なんかいろいろ検査されて、怖くて泣いちゃった。

そうだったね。それからはまた大学病院に行くように言われて、「肝芽腫かんがしゅ」だと告知されて「肝臓全体に腫瘍があって、手術はできないから化学療法で治療を始めましょう。と言われたね。

うちの子の場合
  • お腹痛いと訴えがあり、病院へ。
  • 2か所の病院を経て、大学病院で「肝芽腫」と診断。
  • 肝臓全体に腫瘍があるステージⅣで、手術ができず、化学療法の治療方針。
  • JPLT(日本小児肝癌スタディグループ)のプロトコールでの治療計画。
  • 化学療法、腫瘍が小さくなったところで手術3回、自己末梢血幹細胞移植を経て、別の病院へ転院。
  • 独自の化学療法の組み合わせで治療。
  • 晩期合併症は残るも、がん自体は寛解

下記で、肝芽腫の治療やうちの子の場合の体験談を紹介しているので、参考までにどうぞ。

》【小児がん】肝芽腫って何?症状や診断、治療法などをわかりやすく解説【体験談】

まとめ

愛する我が子に、ある日突然「小児がんです」といわれたら、頭は真っ白になり混乱し、パニックが起きるほどの強い衝撃を受けます。

それから入院してからの治療などには、本人は当然ですが、家族も生活が一変してしまいます。

病院によりますが、保護者の対応には2種類あります。

  • 子どもの入院ということで保護者が付き添うことができる病院
  • 子どものみの入院で保護者は面会というかたちの病院

どちらにしても精神的にも身体的にも、家族の負担が大きくなるということになります。

そして「小児がん」という病気を受けいれ、前向きに治療していけるようになるのにかかる時間は、1人ひとり違います。

子どもが「小児がん」と診断されたら、親は自分を責め、変われるものなら変わってやりたいとなげき悲しむものです。

だだ医学は日々進歩していて、さまざまな研究がなされており、以前に比べると「小児がん」は治るようになっています。

子どもが「小児がん」と診断されたら、主治医とよく話し合い、疑問や不安はその都度聞き、納得がいかなければセカンドオピニオンも検討したり、親の会があれば相談したりなどの情報収集をして、納得のいく治療方法を検討していきましょう

  • 少しでもおかしいと感じたら、病院を受診する。
  • 治療方針を、納得のいくまで話し合う
  • 疑問や不安はそのままにしない
  • セカンドオピニオンも検討する。
  • 親の会などで情報収集する。
  • 治療が始まったら、メモ、日記などで記録を残す

子どもの生きる力を信じてあきらめなければ、きっと奇跡は起こるかもしれません。

下記で、障害や病気を受け入れるまでのプロセスを紹介していますので、参考までにどうぞ。

》【発達障害】障害を受けいれるまでの親の気持ちとは?障害受容のプロセスを解説【体験談】

参考:小児がんの人へ

参考:子どもが小児がんと診断されてもあせらないで