もしも自分の子どもが「不登校」になってしまったら、あなたはどうしますか?
さまざまな理由や原因で不登校児は増えていて、今や誰でも不登校になる可能性がありますね。
「発達障害」が「ある、なし」に関わらず不登校になりますが、発達障害のある子どもが不登校になりやすい傾向がとても強いです。
- 発達障害の特性による「苦手なこと」が多いこと
- 関わる教師の理解度により「不適切な対応」が原因が大きいこと
この記事では、3歳で発症した小児がんの闘病と、7歳で発達障害と診断を受け、二次障害を発症し小学5年生から不登校になった子どもとの波乱万丈な経験から、
- 発達障害のある子どもの不登校とは?
- 不登校のきっかけや原因は?
- 不登校になったらどうする?
- うちの子の場合の体験談
などについてご紹介します。
不登校とは
「不登校」とは、学校に登校していない状態のことをいいます。
児童生徒の心身の状態や彼らをとりまく家庭、学校、地域社会の状況など、さまざまな原因によって児童生徒が登校しない、あるいは、登校したくてもできない事態をさす。
このような事態には、当初「学校恐怖症」school-phobiaや「登校拒否」refuse to go to schoolということばが使われていた。
これらは児童生徒の問題行動のうちでも、その性格上、非行や暴力など他者へ害を及ぼすような反社会的行動と区別され、引きこもりや緘黙(かんもく)などのように、本人自身の現在あるいは将来にとって支障になると思われるような非社会的行動の一つととらえられ、登校する意思を秘めながら登校時になると原因不明の頭痛や腹痛、強い心配や不安などの神経症状に襲われて登校を拒む状態が生じるようになる場合が多い。
引用元:不登校とは|コトバンクより
「学校に行きたくない」といわれたら、親は「甘えだ」と思いがちですが、本人からのSOSのサインでもありますよ。
子どもの心に起きている変化に気づくことができるチャンスだと捉えることもできます。
きっかけと原因
文部科学省の令和2年度の実態調査によると、不登校になるきっかけは、1人ひとりさまざまであることがわかります。
先生のこと | 小学生30% | 中学生28% |
身体の不調 | 小学生27% | 中学生33% |
生活リズムの乱れ | 小学生26% | 中学生26% |
友達のこと | 小学生25% | 中学生26% |
勉強がわからない | 小学生31% | 中学生42% |
自分でもよくわからない | 小学生26% | 中学生23% |
参考資料:令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要(PDF)
子どもから「学校に行きたくない」といわれたら、無理に行かせようしないことが大切です。
しつこく理由を聞いたりせずに気持ちに寄り添いながら、子どもの様子をよく観察しましょう。
発達障害と不登校
集団で行動することや協調性を求められる学校生活において、発達障害のある子どもにとっては苦手なことばかりです。
- 集団で行動することが苦手。
- 状況判断が苦手。
- 共感することが苦手。
- こだわりが強い。
- 感覚過敏がある。
発達障害のある子どもの多くはこのような特徴をもつため、決められた学校生活のルールなどが困難でもあります。
そのため教師の指示に従えずにその場にそぐわない行動をとり、教師や友達からは「わがままで言う事を聞かない」問題児扱いをされることがあります。
また、教師が発達障害のある子どもの対応を理解していない場合に、全く違う不適切な対応によって問題がこじれる場合があります。
関わる教師の対応によっては、子どもの心に大きな傷をつけ、人間恐怖症につながります。
下記で、発達障害の種類や特徴などを紹介していますので、参考までにどうぞ。
》【発達障害】種類や特徴、特性などをわかりやすく解説します!
不登校になったら
子どもが不登校になった場合は、親は混乱し不安になりますよね。
子どもはもっと不安で気持ちが不安定で、「学校に行けない自分は駄目なんだ」と自分を責めてしまい、自分の存在価値を低いと思っていることがあります。
心に寄り添うこと
気持ちが不安定になっている「子どもの心に寄り添うこと」が一番大切です。
- 理由を話したくないこともあるので、本人から話してくれるのを待つ。
- 少しずつ気持ちを話し始めたら、話を遮らないように聞く。
- 学校に行くことをアドバイスしたりしない。
- いつも通りの日常生活を心がける。
問題行動の理由を聞くと、今起きていることではなく時間が経っても解決していない「心のもやもや」が原因となっていることがあります。
医療機関に相談する
発達障害のある子どもは、学校生活で困難さを抱えることが多いため、医療機関などに相談されていることも少なくないと思います。
主治医などとよく相談して「学校に行かない」という選択をすることで、子どもの心が軽くなる場合がありますよ。
- 何に困っているのか。
- 何があったのか。
- どんな症状があるのか?
- どんな気持ちなのか?
子どもの心に寄り添いながら、ゆっくりと「子どもの本当の気持ち」を受け止めることが大切です。
- 「読み」「書く」「計算する」などの学習障害もあり、学習に困難さがある。
- 集団行動が苦手でその場にそぐわない行動をとってしまい、叱責されることが多い。
- うつ病や不安障害などの二次障害を発症していることもある。
》【発達障害】二次障害にはどんな症状がある?発症すると治りにくい【うちの子の場合の体験談】
通信教育やフリースクールなどを活用する
今は通信教育やフリースクール、ICTなどを活用したさまざまな不登校の支援があります。
子どもに合った方法を、子どもと一緒に考えてみるのもいいのではないでしょうか。ただ、子どもの気持ちが一番大切なので、無理強いしないようにしましょう。
- 子どもと一緒に考えること。
- あせらないこと。
- 無理強いはしないこと。
苦手なことよりも得意なことに目を向けましょう!
得意なことでの成功体験を積み重ねることで自分に自信が持てるようになっていきます。
うちの子の場合
- 3歳で発症した「小児がん」
- 7歳で「発達障害」と診断
- 小学5年生から「不登校」
小児がん発症
3歳で小児がん(肝芽腫)を発症し、闘病生活を送りました。肝芽腫とは、子どもの肝臓にできるがんのことです。なかなかしつこいがん細胞で、3年近く入退院を繰り返しました。
- 肝臓全体に散らばっているステージⅣ。
- 化学療法、切除手術、自己末梢血幹細胞移植を行う。
6歳になる頃に寛解となり、治療の後遺症(晩期合併症)が残りました。通院することが多いこともあり、病弱な子どものため特別支援学校の幼稚部に通うことにしました。そのままその特別支援学校の小学部に入学しました。
下記で、小児がん(肝芽腫)についての体験談などを紹介していますので、参考までにどうぞ。
》【小児がん】肝芽腫って何?症状や診断、治療法などをわかりやすく解説【体験談】
》【小児がん】晩期合併症って何?障害の種類や症状などをわかりやすく解説【体験談】
発達障害の診断
小学部に入学したころからトラブルが増えたため、主治医に相談しました。
- 集団行動になじめない。
- 教師や友達とのトラブルが絶えない。
- 家でも伝わらないことが多い。
- 癇癪がひどく暴れることが多い。
下記で、発達障害と診断されるまでについて紹介していますので、参考までにどうぞ。
》【発達障害】うちの子、何かが違う?と感じた気づきの特徴やポイントを解説【体験談】
- 7歳で「特定できない広汎性発達障害」と診断。
- 癇癪や暴れるなどの問題行動がひどく、薬物治療を開始。
下記で、発達障害のお薬について紹介していますので、参考までにどうぞ。
不登校のきっかけと原因
1~3年生はトラブルはありましたが、登校はできていました。
- 発達障害の勉強。
- 発達支援センターへの通院。
- 薬の調整
家庭では、子どもの特性を理解した対応と、子どもに合わせたスモールステップの課題などを実行しており、順調に成功体験を積んでいる真っ最中でした。
- 4年生頃から自己主張をするが、発達障害の特性があるため伝わらないことが多い。
- そのため問題行動を起こすようになり、教師に叱責されることが多くなる。
- 学校に行くことを嫌がるようになり行きしぶりが始まる。
- 登校してもパニックになり、学校から逃走するようになる。
何度も担任との話し合う機会を持ち、発達障害の特性の理解などを訴えましたが、適切な対応がなされずうまく行かないことが続きました。
下記で、発達障害の問題行動について紹介していますので、参考までにどうぞ。
》【発達障害】子どもの問題行動の原因や対処するポイントなどを解説【体験談】
- 教師の発達障害の理解がない。
- 不適切な対応によりトラブルが起きる。
- 子どもがパニックを起こす。
- 教員数人がかりで力ずくで押さえこむ対応をする。
もう誰も信じられない…。人はボクを攻撃してくる…。自分はダメな子だ…。
- 学校での出来事がトラウマとなる。
- 対人恐怖症、不安障害、適応障害、強迫性障害の二次障害を発症。
- 気持ちが不安定になると悪化し、何年も苦しんでいる。
現在も、家族以外と関わることは出来ず、ひきこもりの状態が続いています。
下記で、発達障害のある子どもの二次障害について紹介していますので、参考までにどうぞ。
》【発達障害】二次障害にはどんな症状がある?発症すると治りにくい【うちの子の場合の体験談】
まとめ
発達障害のある子どもが不登校になるきっかけや原因とは、一人一人それぞれで違うとは思います。
- 勉強がわからない
- 先生の理解のなさの不適切な対応
- 皆と同じようにできない
私も子どもの経験を通し、「学校とは何だろう…」と考えるきっかけになりました。
- 何度も何度も、担任と話し合っても全く伝わらない。
- 子どもの心を守るために、学校に行かない選択をする。
- 学校に行かなくなっても子どもの心は傷ついたまま。
- 何度もフラッシュバックを起こして精神的に不安定が続く。
今は、不登校の子どものための支援が増えていて、通信教育やフリースクールなどもあり、ICTを活用することで学習はどこでもできるようになりましたね。
ただ、これも子どもが自らの意志で挑戦することが大切になります。
うちの子どもは、得意なパソコン教室に通うことにしたのですが、対人恐怖症などの二次障害が悪化して続けることができませんでした。その後、自分の知りたいことは独学で知識を深めています。
発達障害のある子どもの特性に合わせて適切な対応をしていくことは、「子どもが安心して成長していくことができるということ」に繋がっていきます。
発達障害のある子どもに関わる全ての大人に、対応1つでその子どもの人生に大きな影響を与えるということを理解していただきたいです。