「発達障害のある子どもの問題行動」に悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
忙しいときやまわりに人がいるときに限って、問題行動が起こりやすいです!
- まわりの目線に晒され、自分の子育てを批判されている気がする。
- 焦って、やめさせようとするけどうまく行かない。
子どもの問題行動は、自分のせいなのかと不安を抱えて自分を責めたりしていませんか?
この記事では、3歳で発症した小児がんの闘病や、7歳で発達障害と診断を受け、二次障害を発症し引きこもりになった子どもとの波乱万丈な経験から、
- 発達障害のある子どもの問題行動とは?
- 問題行動の理由は?
- 問題行動の対応するポイントは?
- 絶対にしてはいけないことは?
- うちの子の場合の体験談
などについてご紹介します。
「発達障害のある子どもの問題行動」とは
「発達障害のある子供の問題行動」とは、目に見える行動として「癇癪」「泣きわめく」「噛みつく」「物を壊す」「手がつけられない程暴れる」などがあります。また「いうことが聞けない」「課題をしない」などの行動しないということもあります。
ぐずる,かんしゃく,くちごたえする,汚いことば,すねる,そんな子供の姿に,あなたは気が変になっていませんか?しかし,それはあなただけではありません。
私たちの子どもは,電話中にじゃまをし,お店ではくだらないおもちゃをほしがり,なかなか着替えをせず,「なんで僕がやらなきゃならないの?」「だれがそういったの?」と子どもっぽく口答えします。子どもたちは,ぜったいチーズバーガーが欲しいと言い張るかと思うと,いざ注文すると,アブラっこい,薄ぺらだ,なんかみずっぽい,焦げてると言って食べません。妹を泣き出すまでからかい,パジャマを脱ぎっぱなしにして片づけようとしません。
引用元:『読んで学べるADHDのペアレントトレーニングーむずかしい子にやさしい子育てーシンシア・ウィッタム(著)上林靖子(ほか訳)中田洋二郎(監訳)赤石書店 2002年 P7』
発達障害ではないふつうの子育てにおいて、子どもの行動に悩むことはあります。だた「発達障害のある子どもの問題行動」は、一度始まったらやめさせるのが難しいことがあります。関わる親は精神的にも身体的にも大きな負担となります。
問題行動の具体例
問題行動といわれる例を紹介します。
癇癪 | ちょっとしたことに感情が抑えきれず、激しく怒りやすい。 |
泣きわめく | わめきながら泣くこと。 |
噛みつく | 噛みつく。 |
物を壊す | 目についた物を投げつけたり、蹴ったりして壊す。 |
暴言 | 乱暴で、汚い言葉を言い続ける。 |
暴れる | 周りの人を殴ったり、蹴ったりすること。 |
「発達障害のある子どもの問題行動」には、必ずといっていいほど「理由」があります。まわりからみれば「わがまま」「いうことを聞けない子」と思われ、誤解されやすいことがとても多いのです。また困っているのは、親でもなく教師でもなく「子ども本人」であるということになります。
「問題行動」は個人差がありさまざまです。また、一度に全部起こることもあります。特に外出先などで起こることが多いため、とてもつらいですよね。
問題行動を起こす理由
「発達障害のある子ども問題行動」は、必ず理由があるものです。
こだわりが強い
- 自分の中の決まりごとがある。
- 特定の物やルーティーンなどがある。
特定のものや場所、行動の順番などに強いこだわりがあり、それが変化するとパニックになり、どうしていいかわからないことで問題行動としてあらわすことがあります。
言いたいことが伝わらない
- 言いたいことが上手くことばで伝えられない。
- できないかもしれない不安な気持ちを伝えられない。
- 否定されることが怖い。
「嫌だ」「不安だ」と思っていることを言葉で伝えることができなかったり、それを伝えたとしても否定されることが怖いという気持ちを「問題行動」としてあらわすことがあります。
納得できない
- 課題などの決められたことに納得できない。
- 予定が変更などに納得できない。
親や先生の指示などが納得できないことがあったり、本人以外が決めた急な予定変更など、子ども本人が「納得していない」ことがある時にも「問題行動」としてあらわれることがあります。
理由があるということに気づくまでは、「どうしてこんなことするの?」と怒っていましたが、実はほとんどの問題行動には理由がありました。
》【発達障害】種類や特徴、特性などをわかりやすく解説します!
問題行動を対処するポイント
「問題行動が起きてしまったら…」なだめても、叱っても、おさまらないことがほとんどです。やめさせようと関われば関わるほどエスカレートする場合があります。
こだわりはある程度は認める
- 禁止してもやめられない。
- 「あと何回したらやめよう」「明日しよう」など状況にあわせて対応する。
クールダウンできる場所を見つける
- 静かに落ち着ける場所を探し、本人がクールダウンすることを待つ。
- ひとりで落ち着ける場所が理想。
気持ちが落ち着いたら話をする
- 問題行動ではなく、本人の気持ちを聞いてみる。
- 「嫌だったんだね」など、本人の気持ちを肯定する。
時間をおいて振り返りをする
子どもが好きな場所や落ち着ける場所で、気持ちが落ち着いているときに行います。
- 問題行動を起こした時の場面を絵や文字を使って、メモ帳や画用紙に書く。
- 客観的にその状況を一緒に振り返りをする。
- 問題行動で起きた、まわりの人の気持ちを一緒に考える。
「嫌な気持ちがしたよ」など、相手にも気持ちがあることを伝えることを続けることで、それぞれ人には気持ちがあるということを理解するようにまりました。
問題行動が起きている場合は、興奮状態にあるので落ち着くのを待つことがとても大事です。また外出先や人が多い場所などで起こることが多く、その場から移動させることが一番いいのですが、なかなかうまく行かないことも多いですよね。
絶対にしてはいけないこと
「発達障害のある子どもの問題行動」が起こったときに、絶対にしてはいけないことがあります。もちろん、危険な行為である場合、他人に迷惑をかける問題行動である場合を除きますが、子どもの心に傷をつけ、その後の人生に大きく影響があることがあります。
- 問題行動だけを見て叱責すること。
- 子どもの言い分を聞かないこと。
- 力ずくでやめさせようとすること。
目に見える問題行動ばかりが目につくので注意しようとしますが、問題行動の奥にあるもの(原因、困っていること)に目を向けるようにしましょう。
参考:発達障害の「二次障害」とは?発達障害のある人がうつや引きこもりになりやすい理由は?
うちの子の場合
うちの子(かっくん)の場合の、問題行動を紹介します。
ボクの場合は、どうしてもしてしまう行動があります。
- すぐにキレて怒りだす。
- 物を投げる、蹴る。(頻度が多い→ゴミ箱)
- 暴言を吐く。
- 殴ったり、蹴ったり、噛みつく。(特定の人→多くは母親)
- 車に籠城する。
- 作成したものを破る、壊す。
- 教室から飛び出す。(ひどい時→学校から飛び出して逃走)
- 言うことを全く聞かない。
- その場にそぐわない行動をする。
- 暴れまわって家の中をめちゃくちゃにする。等々…。
- 【1~4】生活の中での困り感や納得できないことがある。
- 【5】買い物に行くと思っていたお店が違う。
- 【6~9】学校の中での困り感や納得できないことがある。
- 【10】理解してもらえず、限界に達した。
原因や理由は、その時によってさまざまですが、後になって振り返る時に初めてわかることが多いです。
- 問題行動を起こしている時は、止めれないので基本的には無視をする。
- クールダウンするのを見守る。
- 「問題行動=うじゃうじゃ」の話をするために、文字と絵を書き準備する。
- 気持ちが落ち着いたら話を始め、まずは本人の気持ちを聞き出す。
- 本人のこだわり、特性などを肯定し、困り感などは解決策を考える。
- 「うじゃうじゃ」を客観的に説明しながら、どのような影響があるのかを話す。
「嫌な気持ちがした。悲しい気持ちがした。」と問題行動によって起きるまわりの人の気持ちを伝えることを何回も繰り返すうちに、相手の気持ちはどういう気持ちがあるのかを考えるようになり、家では問題行動の回数が減っていきました。
学校の先生の理解が必要ですが、理解できない先生もいることも事実です。
- 問題行動だけを叱責される。
- 問題児扱いをされる。
- 力づくで強行する。
このような対応をされ続けたかっくんは、人間不信になり二次障害を発症し不登校となり、他人と関われないひきこもりの状態になりました。
下記で、発達障害の二次障害の原因やポイントなどを紹介していますので、参考までにどうぞ。
》【発達障害】二次障害にはどんな症状がある?発症すると治りにくい【うちの子の場合の体験談】
まとめ
「発達障害のある子どもの問題行動」とは、本人の特性、特徴などの感覚などの原因や理由もさまざまです。また、時間が経っているけど納得していない事柄が原因となって起きることもあるということです。
問題行動が始まったら、その行動をやめさせようと焦ってしまいますが、問題行動だけではなくその奥にある原因「本人の困っていること、本人の気持ち」に目を向けてみましょう。私たちには気づかないところに困っていることがあります。
「問題行動」は自分のことをわかってほしいという「SOS」だと捉えてみると、見え方が変わってくるかもしれません。